赤ちゃんの初めての記念写真を素敵に残すために大切なこと

〜ニューボーンフォトを撮る中で感じた、忘れられない瞬間〜

こんにちは。福岡県でニューボーンフォトや家族写真を撮影しているフォトグラファーの砂時計寫眞です。
今回は、赤ちゃんの“初めての記念写真”を可愛く、そして心に残るかたちで残すために、僕が現場で感じたことや、実際にあった印象深いエピソードを交えながらお伝えしていきます。


赤ちゃんと家族にとっての“はじまりの一枚”

ニューボーンフォトは概ね生後2週間以内の赤ちゃんを対象に撮影する記念写真です。
この時期の赤ちゃんは、まだ胎内にいたときの丸みを帯びた姿勢を保っていて、ほんの数日しか見られない貴重な表情や仕草がたくさんあります。

僕がニューボーンフォトに出会ったのは、自分自身が父親になったのがきっかけでした。
うちの子は非常に小さい状態で産まれ、NICUでの観察期間を経て我が家へ戻りました。車での移動の際にもふにゃふにゃな我が子が大丈夫だろうかとブレーキやカーブの度に慎重になったのを覚えています。
小さな手、小さな足、ふわふわの髪。何気なくスマホで撮った一枚では収まりきらない「命の尊さ」を、きちんと残したいと思ったものでした。


すやすや眠る新生児期の赤ちゃん

「泣き止まない赤ちゃん」と「がんばるママ」から学んだこと

数年前、福岡市西区のご自宅に出張撮影に伺ったときのことです。
その日はとても暑く、生後8日の男の子はなかなか眠ってくれませんでした。少しの物音やカメラのシャッター音で目を覚まし、泣いてしまいます。

ママはとても申し訳なさそうに、「すみません、ちゃんと撮れますか…?」と不安そうでした。

赤ちゃんのコンディションは日によってもその時々でも違うものです。
「大丈夫です、この時間もきっと思い出になります。ゆっくりとあやしてあげましょうね」と私。

赤ちゃんに直接風がかからないようにしつつクーラーの温度を少し下げ、
顔にかかる明るさを落とし、
赤ちゃんの背に優しくトントンするママのリズムに合わせてシャッターを切っていく。
30分くらい経ったのち、スヤスヤと眠ってくれた赤ちゃんの姿を、そっと布でくるみ撮影しました。
赤ちゃんは呼吸も深くぐっすりです。

ママも私もとくに言葉がなくとも、自然と安堵のうれしさがこぼれます。

後日写真のお渡し後に、ママから素敵な言葉をいただきました。
「泣いてた時間の方が長かったのに、こんなに穏やかで可愛い表情の写真が撮れてるなんて……一生の宝物です。」

この瞬間、「この仕事をやっていて本当によかった」と心から思うのでした。


ニューボーンフォトを素敵に残すための3つのポイント

1)生後7〜14日あたりがベストタイミング

赤ちゃんの身体がまだ柔らかく、お腹の中にいた頃の姿勢が自然に出やすいこの時期は、特におすすめです。
赤ちゃんの生まれた時の体重にもよるので、ママと赤ちゃんの体調を十分に考慮して無理のないように決めましょう。
上記の期間を過ぎても、ニューボーンフォトとしてはポーズの制約があったり、赤ちゃんの睡眠リズムなどから撮りやすさが変わってしまうというだけです。かわいい赤ちゃんのはじまりの記念撮影には何ら支障ありませんのでぜひ残してあげてください。
日程のご相談は柔軟に対応します。

2)その赤ちゃん、そのご家族ならではのニューボーンフォト

可能な限り絵作りに関わってください。おくるみや帽子、小物などはフォトグラファーが用意してくれる場合がほとんどですし、時間も限られますが、色味を選んだり、赤ちゃんと一緒にそえる編みぐるみだったりエコー写真だったり、一緒にそえるもののチョイス、おく場所のチョイスなど、そして選んだ理由や迷ったこと、おまじないした内容などをメモに残してあげてください。
他のどこにもない、そのご家族だけの、ご家族ならではの写真が残せます。

3)1時間撮影なら3時間はみておく

当日現場の確認などが終わり、いざ撮影しようというタイミングで赤ちゃんが寝てくれないということはよくあります。普通だったら寝ている赤ちゃんも撮影の日、普段と肌触りの異なる(着ている肌着と温度も異なる)おくるみを巻かれて、起きてしまうことも多いです。帽子や首周りの紐を嫌がる赤ちゃんも少なくありません。
たいていの場合はミノムシのように全身をおくるみで巻いてしまえばその後落ち着いて寝てくれることが多いです。
この際全身巻きでない場合はより泣き出す確率が上がります。
手足の動きのためおくるみを巻くのが難しい(危険)な場合は、一旦おしゃぶりを使ったり、抱っこあやしタイムに入ったりします。
その後眠ってくれたら再度おくるみ巻きへと移ります。
ここで再び泣き起きてしまった場合(じっとしてくれている場合は問題なし)、授乳やオムツ交換などへ移ることが多いです。
ミルクをあげる場合は、トントン、ゲップ、必要に応じてオムツ交換を済ませて、再び寝かしつけに入ります。

とここまでお読みいただくとお分かりのように、スムーズにいけばすぐに終わるシーン撮影も、赤ちゃんのコンディション次第では1時間はあっという間に過ぎてしまいます。ミノムシ巻きと比べると、手や足を出すおくるみ巻きや裸ん坊撮影では赤ちゃんが起きてしまうことが増えます。また1シーンがうまくいって、次のシーンへ移る際にお着替えの際にまた目が覚めてしまうこともあります。

赤ちゃんが泣いたり起きたりするのはごく自然なことですから、それを前提に時間を想定しておくことで「あぁミルク休憩も含めて3時間くらいか」と安心してお過ごしいただけると思います。

同時に、赤ちゃんの当日のコンディションに合わせて、ポーズや巻き方、おくるみの肌触りなどを柔軟に変更することで時間を短くしたり、赤ちゃんの負担を減らすことができます。自然体で過ごす時間や泣き顔、ミノムシ巻きなどの撮影であれば比較的短時間でも撮影できることが多いです。ぜひお含みおきください。


記念写真は「未来の赤ちゃん」への贈り物

赤ちゃんのニューボーンフォトは、今この瞬間を記録するだけではありません。
5年後、10年後に「このとき、あなたはこんなに小さかったんだよ」と伝える、大切なメッセージです。

ぜひママやパパ、お兄ちゃんやお姉ちゃん、祖父母様、
同席の際にはぜひ一緒に写ってあげてください。
その時の心の動き、抱っこにドキドキ、少し笑っていた、ママは照れていた、パパは少し不安そうに大事そうに抱っこしていた。何でもいいのでその時に感じたことを一言でもいいので、日付とともにプリントした写真の裏にでも書き残してあげてください。

そこに写っている方々の表情や、走り書きは、
30年後、やがて大きくなった赤ちゃんにとって、かけがえのない、一生の宝物になります。

長期間色褪せにくい上質なプリントをお選びくださいね。
福岡でニューボーンフォトを検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

赤ちゃんの“はじまりの1枚”を、心をこめてお撮りします。

砂時計寫眞 拝